お茶の水のニコライ堂を拝観してきました。正教のクリスマス礼拝の時間は
遠慮して終わったころそっと拝観させていただきました。
クリスマスとしての特別な飾りつけはなく、いつもと同じ美しく、荘厳な聖堂でした。
ニコライ堂(東京復活大聖堂)では300円の拝観料(修復費用として)を
納めるとろうそく1本とパンフレットを渡されて、聖堂の前にろうそくに火を灯して
立てることができます。
聖堂内には数多くのイコンが飾られていて、静かに見ていると、
年配の信者さんが少し説明してくださいます。
ちょうど幼稚園児くらいのお子さんを連れていた親子に
「せっかくクリスマスにおいで頂いたので、こちらのイコンをご覧になってください。
この方はセント・ニコラウスといって、サンタ・クロースと言われている方です。」
と説明されていました。
毎年この時期になると高校のシスターが
「サンタクロースはあんな赤い服は着ていませんよ。トルコに実在した聖人で
娘を嫁がせることができない貧しい家庭に金貨を差し入れて救ったことが
サンタクロースの物語の原型です。あんな赤い帽子をかぶせられて
お可哀そうでなりません。」
と、お話されていたのを必ずと言っていいほど思い出します。
シスターはサンタ・クロースが商業主義のシンボルにされていることに
憂慮されていたのだと思いますが、今ではサンタ・クロースの存在は
当たり前すぎて、このような憂慮をする人もいないのかもしれません。
今日、ニコライ堂に大きく飾られているセント・ニコラウスのイコンを見て、
聖人が聖人として静かに正しく祭られていることに
「シスターよかったですね。ここでは正しく扱われていますよ。」と思いました。
ただ、セント・ニコラウスのお姿よりもサンタ・クロースの姿でプレゼントを
配ったほうが子どもたちは喜ぶだろうなとは思いましたけど。